九八式射爆照準器と九九式2号固定機銃
九八式射爆照準器 詳細(大刀洗平和祈念館三二型装備の為入手・整備・装着品)
分解 |
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鉄くず(平成16年鎌ヶ谷警察署持ち込み回答)
九九式20粍2号固定機銃四型(元嵐山美術館62型左翼に装着されていたもの)
入手経緯
白浜零パークから呉に移行後復元途中で譲渡の話が出て受けたものです。
この機銃は私が入手後汚れを落とし腐食防止処置をした後、平成16年11月9日に鎌ヶ谷警察署に車で13ミリ機銃と共に直接持ち込み、生活安全課の担当者2名の方に荷台に乗った状態で見て頂くと共に入手経緯が解る資料を提出し所持許可の可否をお伺いしています。
その際、鎌ヶ谷での生活安全課では判断できないので上級部署である千葉県警の専門部署に資料の提出もしくは確認をすると言われ、1週間後に資料の返却と共に「警察の見解としては鉄くずであるので届け出の必要なし」と回答を受けた物です。
その時、生活安全課からは、「琵琶湖から引き揚げ後警察も確認しており滋賀県の財務課から鉄くずとして嵐山美術館に譲渡され、その後嵐山美術館から白浜御苑(零パーク)のルートも確認した」と教えて頂くとともに、「発射可能としない限り所持には全く問題は無い」との明確な回答を受けています。
引揚時から鉄くず同様の錆の塊でもあった訳ですが、念のための引揚後の嵐山美術館での発射不能処置として銃身中間部での切断と再溶接、腐食欠落していた銃身先端部複製と共に10ミリ穴のスペーサーを溶接埋め込みし発射不能として処置がされていることが確認できます。
またその際に腐食欠落していたフラッシュハイザーの複製品が溶接されています。(若干下に垂れて溶接されている)
(右翼の方が泥等の埋没程度の違いにより、はるかに程度が良くこの部分も残っています)
入手後の経緯
展示実現
平成25年に入り所沢航空発祥記念館に展示可能となった時点で展示準備として、表面を覆っていた赤さびを高圧洗浄機で概略落し、スプリング等が20箇所程折れていた部分を再溶接した後、腐食防止処置と黒染め塗装風に塗装処置して展示品として外観上の整備をしました。(勿論スプリングは数センチほど圧縮すれば各所折れ始めますので、スプリングとしての機能は全く在りません)
綺麗にした為に念のため発射可能と間違われない為にも、今後は薬室下部の開口処置を考えています。(そもそも各部腐食と嵐山時の不能処置で絶対撃てませんが、ここを開ければどうあがいても不能品と一目瞭然となりますので)
川村博士が短期で実現した日本だけが実現した給弾機構の技術が詰まっている技術史上有益な物ですので、今後とも博物館等に対して展示要望を持ちかけて多くの方々に見て感じて頂ければ幸いと考えています。(今までは各所で展示要望を出しても回答なしもしくは断られていました、今後時代は変わっていき要望が増えることを望みます)
:追記
その後の薬室下部の開口処置過程
展示時のお詫び
所沢にて展示初日の時に「嵐山の零戦の物では?」と質問を受けた際に私が「解りません」と回答した事をお詫びいたします。
質問をされた方はお一人のみでしたが、もし今後2人目以降の方々に同じことを繰り返すのは私としても心苦しい事ですので公表に踏み切りました。
私から「解りません」と回答を受けた方にはこの様な場で申し訳ないですが、間違った回答をして大変申し訳在りませんでした。
譲渡時には出所は公開しない方が良いとはアドバイスは受けていますが、私の性格上と出所由来の大事さを考え明記する事としました。
当時アドバイスを頂けた方には大変申し訳なく感じています。
入手時の状態
私の考えとしてはいくら程度の悪い物でも元は当時の立派な工業製品であった訳ですから、可能な限り外見を良くした後に展示をすることを希望しています。
勿論、オリジナルを損なう事は遺物を取り扱う上に厳禁ですが、複数残っているものですし過度に気にしていては良い展示はできないと考えています。
(細かく言えばスプリングの再溶接自体もオリジナルの破壊と言えますので)
下の写真状態では戦争の悲惨さを伝える意味ではある意味最良と思われがちですが、腐食はその後の問題で当時の姿とは全く違った状態です。
よって各所のこの関連の展示方法には致し方ない面もあるにせよ、私としてはとても残念な事で当時の事実を伝えない展示と考えてしまいます。
(勿論可能な限りの保存の為と当時の姿に近くなる整備をすることを望みますが、無理な場合はせめて当時の鮮明な写真を添えるとか程度が悪くても当時を正確に伝える展示方法はいくらでもあるとは思います)
その他
なお左翼の13粍機銃も同時に譲渡されています。
今後私が希望する方法での展示が可能となることを願って今後とも保管していきます、展示が可能となれば九九式と同じく外見のみの整備をして皆さんに見て感じて頂ければ幸いと考えています。
展示準備
展示台も弾丸類レプリカ制作も展示が許可されてから急遽でした。
アルミから無垢の信管を削り出しパイプに嵌めて |
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オリジナルの複雑な形状に仕上げていき |
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でっち上げで超軽量の20粍弾頭が完成 |
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色塗って薬莢に嵌めて完成
右のアルミ部材が加工前の丸棒とパイプ |
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挿弾子も試作を繰り返し・・・・・・ |
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何とか完成 |
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鉄くず(平成16年鎌ヶ谷警察署持ち込み回答)三式十三粍固定機銃(元嵐山美術館62型左翼に装着されていたもの)
入手時の状態
支基側面に残る「十三粍キ銃支キ」赤ペイント(当時の書き込み)
最終的に両銃展示が実現しました。