以上の理由により、味方の陸上施設に対し、「鉤捉鈎」と「降着装置」を出し、海軍機密法令に沿った味方識別動作をしているところで墜落と推測した。
このように当時の状況を浮かび上がらせてくれるのも、この機体が当時の状態をかなりよく残しているからであり、それはいろいろな憶測を退けさせてくれるが、そのような状況にあった機が記録の上で発見できず、搭乗員が墜落前に脱出したのかどうかも、今のところ不明である。
今後、今回は入手できなかったこの機体のもう一枚の主翼、エンジン、操縦席付近、垂直尾翼を調べることができるなら、さらに情報の精度は飛躍的に向上し、搭乗員の氏名を突き止めるところまでたどり着けるかもしれないのだが、実のところ、最終的に機体を入手できたとはいえ、この機体がガダルカナルのどの場所に墜落していたか正確な情報に接することができていない。これもわかるなら、この機体の素性や搭乗員氏名を突き止めるためにかなり大きな意味を持つはずである。
また、報国515号と同じガダルカナル島で回収された、三菱5539号、左右の主脚機構部も里帰りしており、左脚は前方からの強い衝撃を受け、脚機構部にめり込んだ痕跡が残り、構部下面部にはパッチ修理痕もある。また右脚柱には高角砲と推測される弾痕がある。
推測としては、脚入れで、ほぼ後方(僅かに下より)から対空砲火の砲弾が爆発し、2個の断片が右主脚と機構部に被弾痕を作った可能性がある事で、事実としては右脚と共に、左の脚出しロックも外れ両脚共に少し出ていることである。
※以下2019.3.27以前の推測、報国515調査チームにより中村の推測が間違いである事が判明し上記の修正に至る。
また、報国515号と同じガダルカナル島で回収された、三菱5539号1機分の主脚機構部も注目したい、主脚を格納完了する直前で前方からの強い衝撃を受け、脚機構部にめり込んだ痕跡が残るものである。
また、主翼下面部にパッチ修理痕もあり、特に注目すべき点で、右脚柱に脚を出した状態で被弾した12.7㎜か高角砲による弾痕がある事であり、全くの憶測でしかないが報国515号と行動を共にしていた可能性が残る。 |