とあるコレクターの方より計器板修復を頼まれました。
腐食上問題なければオリジナル部品を残してもらいたいとの意向なので、欠落部分等はそのまま使用します。
計器板表面の凸凹がひどいのでT3まで焼き入れされた材質をどこまで修復出来るかが課題です。(凸凹は放置後何度か足で蹴られてできたと予想されます)
取り付け金具裏面には青竹色を筆塗りで塗った跡が残ってました。
計器受け座金と羅針儀受け金具ネジ受けは腐食処置簡易化の為処置後外します。
腐食部分を取り除き、その後一時的な腐食防止でプライマーを塗りました。
計器受け座金は腐食処置後かなり痩せてしまいました。
焼き入れされている物でも此処までフラットに修正出来ました。(^^)
この後はこの計器板の新造金型を作る為しばらく修復はお休みです。
金型切り出し、この後大変な削りだし作業が待ってます(^^;)
ようやく9割方完成しました(^^)
次は各取り付け部分の試し打ちをしてオリジナルとの同じRが出るか現物確認しながら修正です。
三菱タイプは曲げがきついので、この部分のオリジナルと同じRが出せれば金型は成功です。
とりあえず一安心です。(^^)。
零戦計器板、中島・三菱の外周曲げ部分のサンプル断面による違いです。
(下・黒色が中島、上・銀色が三菱)
ようやく両方の金型が出来ましたのでサンプルで説明が出来ます。
中島はプレス後の型から引き抜きの便利性を考えRを少なくしたと私の予想です。?これだけでも生産性が違いますよね?
流石中島(^^)
試作品を何個か作成しながらオリジナル形状に近づけます。
依頼者の要望により破損の酷い物を一つ交換しました。
下部取り付け金具(この修復には使用しませんでしたが参考で)
バネの焼き入れには苦労しました。この形状も中島と三菱で違います^^;
レプリカは上部計器板取り付け金具1個・羅針儀受け金具・応急ポンプ取り付け金具バネ1組
座金とTナット1個ずつ・交換リベットと依頼者の希望通り最小に努めました。
銘板は全てオリジナルで、腐食防止処置後クリヤでコーティングし三菱の一つの特長である丸頭リベットで組みました。
バネの焼き入れには苦労しました。この形状も中島と三菱で違います^^;